学生目線で、先輩方に多様な「幸せの見つけ方」を問う。
不確実な未来に前を向く、バックキャスティングメディア「FOREFACE」。
今回は、学生時代から目の前のことを一つ一つこなし、次へのステップを見出してきた、美馬さんにお話を伺いました。特に、現状に問題意識を持ち、今の自分にできることを進めていく方法について伺いました。
慶応義塾大学環境情報学部を卒業後、webディレクターとして従事。その後、2014年に株式会社乃村工藝社に移り、ミュージアムや展示のコンテンツプランナーとして、デジタル技術を融合したワクワクする空間体験を考える日々を送っている。
ーどんな学生時代を過ごしていましたか?
四国の徳島が出身で、都会にあこがれて東京の大学に入りました。やりたいことはあるけど、それがちゃんと通用するかというのが分からず、ずっともやもやした気持ちでいました。
音楽を昔からやってたので、バンドサークルでピアノとか弾いていたんだけど、歳をとるごとに、これでいいのかなという思いが強くなってきました。課題だけこなして、友達と遊んで、サークルやってバイトやるっていう、みんなやってるルーティンをやっているとこれでいいのかなって思っちゃいまして。
そういったときに、たまたまI-MAGE※に出会いました。
※I-MAGE 実践しながら企画作りを通して世の中への仕掛け方を学ぶ、学生向けの学びの場、コミュニケーションデザインカレッジ
ー学生時代は将来のビジョンはありましたか?
地方出身だったから、ゆくゆくは、地域活性をやりたいなってずっと思っていました。僕が大学に入学したのは2005年で、2004年にmixiができて、2008年にiPhoneが発売されました。
色々なことがネットを介して出来る世の中になってきて、それを慶應湘南藤沢キャンパスで学んでてて、ネットと地域活性を上手くミックスできることって結構あるんじゃないかなって思いました。
ー普段は、そのようなビジョンは意識しながら生活しているのですか?
意識している時も、意識していない時も、両方あると思います。
やりたいんだろうなってことがぼんやりしてたとしても、とにかく、目の前のことを、一つ一つこなしていくと次の待ちわびる景色が見えてくるって感じで、それの繰り返しだと思います。
ー今思い描いている将来設計は、大学生の頃に考えていたものと同じですか?
いや、全然違いますし、変わるべきだと思っています。時代が変わるとそれと同時に変わることも多いから、最初から決めつけるのではなく、近くにあるものに手を出すと、次のものが見えてくるって感じでいいと思います。
今を全力でやりきると、次に何か新しい道が開けるかもしれないと考えていて、その道を楽しみにしています。
ー今を全力でやりきると、次に何か新しい道が開けるということは、学生時代から気付いていましたか?
だんだんと気付いてきたという感じです。
今までにないことはやってみようという「一歩を作る努力」は昔からしていたかな。
ー学生の頃のどんな経験が今に生きていますか?
I-MAGEで受講生、プロジェクトリーダー、サポーター、社会人アドバイザー。一貫して様々な立場において学ぶことが多かったです。
参加者としての学びもあるし、プロジェクトリーダーとしての学びもあるし、社会人アドバイザーになったときに、大学生にどのように働きかけていこうかということもあるなって思いました。場面場面ですごく良い気づきを得てきました。
それに、プロジェクトリーダーは何かをリードしなければならない、完成させなければならないからね。例えば社長にならなければずっと部下だから、両方の気持ちを鑑みて進めるってすごく大切だなと思っています。
他には、大学時代のバンドの経験です。ダンサーとかバイオリンを含めて30人くらいで活動していたんだけど、そのときの役割分担している感じが、オーケストラだなって感じました。
仕事でも、チームで色々な役割があって、1つのことを協力して完成させるというところがオーケストラに近いと感じました。
ー学生時代にやっておいた方がいいことはありますか?
勉強だけじゃなくて色んなことを知識として吸収して、それを自分の中で消化させて、アウトプットにすることだと思います。アウトプットの質はインプットの量によるなって思うからです。
例えば、バイトで、「めちゃくちゃ接客頑張りました!」ということがあれば、それも他で活かせると思います。
それと同じで、自分がどうなりたいかと、ふわっと思うことを突き詰めてインプットすることが大切だと思っています。
ー就活はどのように挑みましたか?
自分の考えていることを上手く言葉にするのが苦手で、就職浪人を1年しました。
ーどこに苦労したのですか?
自分の思っていることや、考えていること、好きなことを上手くアピールすることや言語化する作業に1年かかりました。
でも、この1年はとても貴重で、それを経ていないと今の自分はなかったなと思っています。
そういうことは、あまり大学では教えて貰えませんよね。自分を突き動かしてくれたのは、やはり周りにいた社会人かなと思います。
ー就活で1番学んだことは何ですか?
1社目の会社が必ずしもゴールではないってことを学びました。1社目で入った会社は、Web系の会社で、それはそれで、知見や経験値は高まりました。
1社目の経験を土台にして、自分のやりたいことと、その知見を組み合わせると、自分のスタイルが唯一無二になると思います。
ー今はどんなお仕事をされているのですか?
展示や博物館を企画・設計して施工する会社に今は勤めています。僕は、その中でもデジタルを介したコンテンツづくりを企画するチームにいます。そこで、I-MAGEの経験がとても活かされました。
I-MAGEは、メディアを介して、どう人に届けるか、かつ、今までにないものとか、課題にどう取り組んでいくのかみたいなことを、みんなで一緒に考えていく作業が多かったのですが、それが実は、僕の仕事に直結してることに気付きました。
ー目標は高く設定するのが良いのですか?
目標が高すぎるのも良くないと思います。得意なことは更に伸ばすために多少高くても良いが、苦手なことは、マイナスをゼロに近づけるようにすることが大切だと思います。
ー最近の学生の印象はどうですか?
意外とみんな古めかしいかなと感じます。飲み会でみんなそろってビール飲んだり、一年目の子はジャニーズが好きで突き詰めている感じです。
いつの時代もしみったれた人間くささやオタク気質なところは変わらないなと思います。
そういえば、自分が社会人1年目の会社でいつも言われていたことを思い出しました。それは、「権利と義務」の義務を経て権利が生まれるっていう言葉です。
そこにあることをちゃんとすることで権利が生まれるっていうことです。なので、よく彼らには、まず目の前の仕事を頑張れ!とよく言っています。
「何となくを突き詰めろ」何となく思っていることに対しては、何でもいいから知識を増やしていき、突き詰めることで何か見えてくる!
美馬さん、ご貴重なお話をありがとうごいました!
今回お話を聞いていて、1番印象的だったことは、1社目の会社が、必ずしもゴールではないと言うことです。
学生にとっての就活は、最初に務める会社を決めていく訳ですが、1社目が必ずしもゴールではないという言葉を聞き、将来のビジョンを柔軟に考えることができる人が増えるのではないかと感じました。
自分の選択が間違っている、正しいと考えるのではなく、次にやりたいことに繋げる為にも、1社目で得た知見を大切にし、自分のスタイルにオリジナリティを加えることが大切だと学びました。
読者の皆様も是非、自分の選択に自信を持ち、目の前のやりたいことをこなしていき、新しい世界を切り開いていってください。